総務省の令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果によると、2023年時点の空き家数は全国で約900万戸あり、2018年から約51万戸も増加しています。

空き家総数のうち売却や賃貸用で空き家になっている家や、別荘やセカンドハウス用途で普段は人が住んでいない家を除くと385万戸となり、今後は更に増えていくと予想されています。

また令和6年4月より不動産の相続登記が義務化され、遺産相続から3年以内に相続登記を行う必要が出てきました。

誰も住む予定がなく、使用用途もない住宅を相続してしまい放置しておくと、様々なリスクや危険性があります。

そこで今回は空き家を放置することのリスクや危険性と「負」動産にしないための解決方法を解説いたします。

空き家とは

そもそも空き家とは「空家法」第2条第1項において、「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)とされています。

またガイドラインで概ね1年間を通じて使用されていない建物という基準も示されています。

「使用」とは居住目的や物置として意図を持って建物が使われていることとされていますが、数年に一度出入りするだけといった場合は放置とみなされ、空家等に認定される可能性があります。

空き家に潜むリスク

「周囲に迷惑をかけていないから空き家をそのままにしておいてもいいのでは?」と考え相続した空き家をそのままにしている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、空き家を放置しておくと様々なリスクに晒されることとなり、大変な問題を引き起こす可能性もあります。

建物の老朽化

日本にある多くの建物は木造です。また湿度が高い時期も多いため、空気の入れ替えをしないと湿気がたまり急速に建物が傷んでしまいます。

また湿気が溜まった柱や梁などにはシロアリが発生しやすく、さらに建物の状態が悪化していきます。

強風や台風などで屋根材がずれたり落下した事に気が付かず、雨漏りの放置で木材が腐ってしまう可能性もあります。

ブロック塀がある場合ですと、徐々に傾いていることに気が付かず、塀が崩れて通行人に怪我をさせてしまう危険性もあります。

この場合の法的責任は建物の所有者にありますので、相続した建物だとしても関係なく賠償責任が課せられることとなります。

周辺環境の悪化

庭や庭木がある場合は、管理を怠っていると草木が一気に伸びてしまい、周辺の住宅にまで影響を及ぼす可能性があります。

樹木が隣の敷地にまで伸びてしまいご近所トラブルに発展するケースもありますので注意が必要です。

また草が伸び放題になって明らかに空き家とわかってしまう住宅にはゴミの不法投棄をされてしまう可能性もあります。

一度不法投棄をされてそのままにしていると、どんどんゴミが捨てられあっという間にゴミ捨て場のような状態になってしまいます。

治安上の問題

誰も出入りせず放置された空き家には、不法侵入やいたずらをされる可能性があります。

また、浮浪者がそのまま住み着いてしまったというケースもあり、火事が発生する恐れもあります。

「特定空家等」に認定されてしまう

特定空き家等とは下記のような状態に1つでも当てはまると各自治体から「特定空家等」として認定されてしまいます。

■倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある状態

■アスベスト飛散やゴミによる異臭の発生など、著しく衛生上有害となる恐れがある状態

■適切な管理がされていないことで著しく景観を損なっている状態

■その他、立木の枝の越境や棲みついた動物の糞尿などの影響によって、周辺の生活環境を乱している状態

特定空家等に認定されてしまうと、自治体から所有者に対して空き家を適切に管理するよう「助言」や「指導」が入ります。

修理や改善がされない場合は「勧告」や「命令」が下され、「命令」にも従わない場合は50万円以下の過料に処せられる可能性があります。

また「特定空家等」に認定され、自治体から「勧告」を受けた空き家は固定資産税や都市計画税の優遇措置がなくなり、固定資産税が最大6倍になってしまいます。

空き家活用法

ここまでは空き家を放置しておくことの危険性について説明してきましたが、適切に管理、活用していけばリスクも減らすことができますし、場合によっては資産として活用できるケースもあります。

ここでは3つの方法をメリットとデメリットを併せて解説いたします。

売却

使用する予定のない空き家の場合は、まず売却を考えるのではないでしょうか。

空き家売却のメリットとしては、現金化ができること、その後の管理が不要になる点が挙げられます。

デメリットとしては、いつまでも売れずに残ってしまい、売れるまで管理をし続けないといけない可能性があります。

相続土地国庫帰属制度も令和5年からスタートしましたが、正直かなり利用のハードルが高く現実的ではないので今回は割愛します。

活用

空き家を賃貸に出したり、リフォームしてシェアハウスや民泊として活用する方法です。

収益が得られるので空き家を資産として活用できる点が最大のメリットですが、その反面修繕やリフォームが必要になりますので経費がかかります。

空き家管理

今すぐ空き家をどうするか決まらない、少し様子を見てから考えたいという場合は、業者を利用しての空き家管理という方法もあります。

業者がプロの目線で建物を定期的に巡回するので、老朽化や不具合を事前に察知でき、事故のリスクを減らすことができます。

一方で固定資産税や管理費用が定期的に発生してしまいます。

まとめ

ここまで空き家を放置するリスクと活用方法について解説してきました。

空き家活用については立地や建物によって活用方法が異なりますので、慎重に進めることが重要だと思います。

暮らしのサポートでは、富山県内の空き家活用、空き家管理を承っており、不動産のプロの視点から適切な活用方法をご提案しております。

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