新築に比べると価格が安いため、居住用だけでなく投資用物件としても注目されている中古住宅ですが、注意しなければならない点もたくさんあります。
購入後の思わぬトラブル、修繕を防ぐためには、内見時に住宅の状態を細かく調べることが重要です。
そこで今回は不動産のプロ目線で中古物件の内見時にチェックするべきポイントを解説いたします。
外観の主なチェックポイント
屋根
瓦やスレートにずれや割れがないかどうかをチェックする必要があります。屋根材がずれているということは屋根材だけの問題ではなく下地材が劣化している可能性が考えられます。
屋根材が塗装されている場合は、塗装の剥がれもチェックしましょう。塗装が剥がれている場合は再塗装が必要になる可能性がありますので、塗装費用も考慮したほうがいいでしょう。
屋根周りに設置されている雨樋が割れていないか、破損していないかどうかも重要なチェックポイントです。
外壁
外壁の材質は様々なものがありますので、代表的な外壁材のチェックポイントを説明いたします。
サイディング・モルタル
サイディングやモルタル壁の場合は表面の塗装が剥がれていたり、手で触って粉が付着しないかどうかをチェックします。
モルタルの場合は大きなひび割れがないかどうかをチェックする必要があります。
またサイディング材の間にシーリングが打ってありますので、シーリングのひび割れを確認しましょう。
サイディングは定期的なメンテナンスが必要になりますので、これまでのメンテナンス状況などを聞いてみることも非常に重要です。
タイル
タイルは陶磁器製ですので、劣化や変質がなく熱や水にも強い性質を持っています。
タイル自体は丈夫ですが、外壁からタイルの一部が剥がれている場合がありますので、全体をよく見て外壁の状況を観察しましょう。
トタン
トタン外壁の場合はサビがないかをチェックします。
サビの度合いによっては張替えが必要になる場合もありますので、再塗装で済むレベルのサビかどうかは慎重に見極める必要があります。
軒天(軒裏)
軒天のチェックポイントは、雨のシミ、塗装の剥がれ、軒天自体の剥がれがないかどうかの3点が重要です。
軒天が劣化していると建物内部に湿気や水分が侵入してしまい、建物の劣化を早めます。
普段はあまり見ない部分だと思いますので、内見の際は意識して見ることをおすすめいたします。
基礎
建物の基礎コンクリートにヒビが入っているとドキッとしますよね。
ですが、基礎のひび割れはいくつか種類があり、中には温度変化や乾燥などの自然現象でできるものもあります。
縦方向に伸びた0.3mmほどのひび割れはその殆どが心配いらない程度であることが多いです。
ただし、ひび割れが横方向に入っている、0.5mm以上のひび割れが縦に貫通しているなどの場合は建物の構造や土地に問題がある場合もありますので、注意が必要です。
室内の主なチェックポイント
壁
クロスの剥がれや浮きが無いかどうかをチェックします。剥がれの原因は乾燥や湿気によるものが多いですが、中には雨漏りが原因でクロスの接着力が落ち剥がれてしまう場合もあります。
湿気が多い家の場合はカビが発生している場合もありますので特に注意が必要です。
床下
内見で床下まで見ることは難しいかもしれませんが、建物の状況を知るにはかなり重要なポイントになりますので、ぜひ許可を取って床下を見てみましょう。
湿気が多い家の場合は床下がジメジメしていたり水が溜まっているケースもあります。
またシロアリは床下にいるケースが多いので、床下の柱が崩れていたり、一部がボロボロになっている場合はシロアリがいる可能性が高いです。
水回り
下水の臭いが上まで上がってきていないか、給排水の水漏れはしていないかが主なチェックポイントになります。
温水洗浄便座や給湯器が問題なく使用できるかどうかもチェックできるとより良いと思います。
窓・建具
建物の状況を簡単に知る上で重要なのが窓や建具です。
窓や建具を開閉する際にスムーズに動くかどうかを確かめます。
築年数があまり経過していない家でも建具の動きが悪い場合は建物自体が傾いているか歪んでいる可能性がありますし、築古の住宅でも建具や窓の動きがスムーズだと、家の状態がよい可能性が高いです。
もちろん完全な家の状態を知る上では、ホームインスペクション(建物状況調査)を依頼する必要がありますので、あくまで簡易的な手法とお考えください。
屋根裏
床下と同様に屋根裏の状況もチェックすることをおすすめいたします。
雨漏り、水の跡があるかどうか、動物の糞の有無、断熱材が欠損していないかどうかが主なチェックポイントになります。
雨漏りがある場合は修繕費用も高額になる可能性がありますので、雨漏り跡を見つけた場合は特に注意が必要となります。
まとめ
以上が建物内見時にチェックしたいポイントとなります。
中古住宅の場合は築年数にもよりますが、建物の劣化は始まっています。
その中で修繕が必要なポイント、近い将来に修繕が必要になりそうな箇所を購入前に把握できれば、購入後のトラブルや予期せぬ出費を回避することができます。
中古住宅に関してよく知ってもらい、住居選びの参考になれば幸いです。
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