最近では富山県内でも外国人や外国法人所有の不動産も増え、様々な方が国内の不動産を購入される時代となりました。また、日本人の方でも海外に居住しながら富山県内に相続された家や不動産投資用の不動産をお持ちの方もいらっしゃいます。

「非居住者」と呼ばれる海外居住の外国人、海外居住歴が1年以上の日本人、海外法人などから不動産を購入する場合、特に気を付けなければならない点として、「非居住者から不動産を購入した買主の源泉徴収義務」があります。

これは本来売主が支払う必要がある不動産売却時に発生する所得税および復興特別所得税を、買主が非居住者の売主から代金支払い時に代わりに徴収し納付する義務があるということです。つまり、買主は非居住者の売主に売買代金を支払う際は、源泉徴収額を差し引いた金額を支払うという事になります。

わかりやすく説明すると「買主は海外居住の売主の代わりに所得税を支払ってください。その税金は売買決済時に買主の責任で売主からもらってください」となります。

買主が個人で居住用のため、1億円以下の不動産であればこの義務は発生しませんので、法人での購入や不動産投資用物件の購入時には注意が必要です。日頃あまり馴染みのない制度となりますので、仲介業者はもちろん仲介を入れずに投資用物件を購入される方などは売主の居住地について気を付けておくと、トラブル回避につながるのではないでしょうか。